モノを運ぶだけではない、人々の生活の基盤を支える役割
現在のお仕事内容を教えてください。
国際空港上屋株式会社(IACT)は共同上屋(複数の事業者が共同で利用する上屋)業務とグランドハンドリング(ランプ・旅客ハンドリング)業務を幅広く取り扱っています。私は現在、輸入ドキュメント部輸入ドキュメント第2課に所属し、入社して3年目になります。当課は、貨物に関する書類のハンドリング、システムへの情報登録などの業務を扱っており、フライト担当と貨物情報登録担当という大きく分けて2つの業務内容があります。
航空会社から運ばれてくる貨物は、エアウェイビル( Air Way bill/AWB)という、貨物情報が記載された書類と一緒に届きます。到着したAWBの仕分け作業及びシステムへ貨物情報登録、航空会社や輸送会社等への書類引き渡し、貨物到着案内を行います。
フライト担当は、AWBと事前の貨物情報との照合をし、貨物情報登録担当は、フライト担当が確認した書類を元にNACCS(税関や行政機関への手続や民間業務を処理するオンラインシステム)や自社システムに入力していくのが主な業務になります。ここで入力する情報や指示が元となり各現場へ伝わり、貨物が正確且つ迅速にお客様のもとへ届くことに繋がりますので、とても責任のある大事な業務という意識を持って取り組んでいます。
最初の2年間はフライト担当で、シフト責任者も担っていました。現在貨物情報登録担当となり数ヶ月になりますが、新たな学びと向き合っています。

貨物を扱う上で意識していることはありますか?
IACTでは、2018年2月より成田空港初となる5つの温度帯をもつ温度管理専用上屋の供用を開始しています。冷蔵庫(+5℃)、冷凍庫(-20℃)、定温庫(+1~ +20℃)、薬品庫1(+15~ +25℃)があり、それぞれに適した温度管理をし、より高品質な輸送サービスを実現しています。
AWBには、貨物番号、個数、重量、品名などが記載されていますが、特に品名が冷凍食品や薬品の場合、現場への迅速な温度管理の指示が重要になってきます。書類に指示が書かれていない場合は、お客様に電話で確認を取ることもあります。しかし、休日や時間外などにより連絡がつかないこともありますので、こちらで迅速に判断をしてすぐに現場へ温度管理の指示を伝える必要があります。
また、イレギュラーな貨物として扱うものには動物などがあります。現場では餌をあげたりお世話をすることもありますが、指示の内容によって現場での対応が変わってきます。お客様が受取可能か、また餌は指定されたものであるかなど、貨物の特性によって確認する内容も様々あります。
効率化・高品質化・多様化への対応が求められる貨物の取り扱いにおいては、常に迅速で正確な判断が必要になります。
現在、どんな働き方をしているか教えてください
現在は貨物情報登録業務を担当し、主に早番を任されています。早番は7時から15時半まで、遅番が14時半から23時までになります。時間帯によって便の本数も異なり、忙しさも変わってきます。
早番では、朝に便数が多い時間帯があるので、出勤してすぐに書類を捌いていきます。その後はまた夕方に忙しい時間帯がやってきます。遅番では、最後の便が終わるまで待って対応する必要があるため、航空機の運航状況によっては残業になることもあります。成田空港で取り扱う貨物が、羽田空港からトラックで輸送されてくるケースもあるため、道路の渋滞などにより時間が遅くなることもありますが、貨物に漏れが無いよう締めの作業をして1日が終わります。
今は貨物情報登録業務をはじめてから数ヶ月なので、早番の業務を一人でこなせるようになるのが目の前にある目標です。正確さとスピードはとても重要ですが、今一番意識しているのは、正確さです。少し遅くなっても正確であることが一番大事だと感じています。
これまで、どのように仕事を覚えてきましたか?
航空業界は未経験からのスタートでした。同期の中には、航空業界の専門学校から来ている方もいたため、一緒に働いてついていけるのか不安を感じていました。しかし入社後は、新入社員研修はもちろん、保安・保税研修では上屋の役割や税関との関わりについてなど航空貨物の専門的なことを1から学べる教育や研修などがあり、不安は消えていきました。
はじめの3ヵ月はすべての部署を経験し、その後希望を出し正式配属になります。輸入ドキュメント部を希望したのは、多少でも英語が活用できることや、業務内容のわかり易さなどが決め手になりました。また配属後には「ブラザーシスター制度」で先輩方に悩みの相談などもできるので、安心して働くことができました。
仕事のなかで特に難しいのは、事前の情報と実際に到着した書類を照合する際、内容に相違がある場合にどちらが正しいかを判断し修正する必要があることです。この確認作業には責任が伴い、容易に変更できない点で難しさがありますが、上司や先輩方に頼りながら少しずつ経験を積むことができます。
また業界用語も多く、はじめは言葉だけでは理解が追い付かないこともありましたが、定期的に現場研修も行われるため、少しずつ理解に繋がっています。今は自分が後輩への教育をする場面もあるので、人に理解を伝えることの難しさにも直面しています。

成田空港で働くことになったきっかけを教えてください。
私は、成田空港の隣にある多古町に生まれ育ちました。多古町は「多古米」というお米が有名で、農作物が豊かなので食卓にもよく並んでいます。母が航空会社の職員として働いていたこともあり、成田空港はとても身近な存在です。また、幼い頃からアメリカやニュージーランドやオーストラリアなど、飛行機に乗って世界へ旅をする機会も多くありました。
学校は語学系の大学で、英語を学びました。その後、航空業界で働きたいという思いがありましたが、就職活動の時期はちょうどコロナ禍と重なり、求人にも制限がかかっていたため職種も限られていました。しかし、航空業界で働きたいという思いは強くあり、視野を広げ探していた中で、航空貨物業界へ興味を持ち始めたことからIACTを知りました。空港で働いていた母からIACTへの就職を推奨してもらったことも、決めての一つになっています。
日本にいる人々の生活を支えているという実感
仕事のやりがいに感じていることを教えてください。
仕事のやりがいは「日本にいる人々の生活を支えている」という実感を日々持てることにあります。
IACTが取り扱う貨物は、幅広く多様性がありますが、食品や医療品、生活必需品、産業資材など、日本の生活や経済にとって欠かせないものばかりです。これらの貨物が滞りなく国内に届くことで、消費者の手元に必要なものが届き、企業活動も円滑に進みます。つまり、自分たちの仕事は人々の生活の基盤を支える重要な役割を担っています。
物流は単に「モノを運ぶ」だけではありません。 輸出元との調整、通関手続き、倉庫管理、配送まで、多くのプロセスが複雑に絡み合っています。その中で自分が一つの歯車として関わり、全体の流れが スムーズに回るよう尽力する日々は、決して簡単ではありませんが、非常にやりがいがあります。「自分の仕事が誰かの役に立っている」と胸を張って言えることが、この仕事に携わる一番の誇りになっています。
今後の目標や、やってみたいことを教えてください
まだ3年目ということもあり、今の仕事を覚えることが目下の目標ですが、現在担当している輸入業務は、輸出業務と連携している部分もあるので、今の知識を活かしていけるのではないかと思っています。

とにかく経験すること、実際にやってみること
航空貨物を取り巻く環境は日々変化し、社会情勢も投影されます。身近な生活を支える仕事だと実感できるのも魅力の一つです。業界未経験からのスタートで不安はありましたが、航空関係の知識がなくても研修や教育があり一から学ぶ事が出来ます。とにかく経験すること、実際にやってみることが重要だと思います。資料を見て覚えることも大切ですが、業務をやって初めて研修で言われていたことが理解できた、ということが多くありました。
私は現在、輸入ドキュメント業務に携わっていますが、IACTでは輸出貨物ハンドリング事業、ランプハンドリング業務、旅客業務など、総合グランドハンドリングとして幅広い事業を展開しています。少しでも興味を持った方がいたらぜひIACTで働いてもらえたらと思います。