子育て住宅が満室に!横芝光町と多古町に今、移住者や子育て世帯が熱い視線を注ぐ理由
緑豊かな里山や九十九里浜の海に囲まれた横芝光町と、成田空港に隣接しながらも田園地帯が広がる多古町。両町が主に移住・子育て世帯を対象に新たに整備した賃貸住宅が注目されています。いずれも満室となる人気ぶりで、20〜40代の子育て世帯や夫婦の転入がじわりと増加。それぞれの町の担当者に、反響や入居者の声とともに、子育てを含む移住支援制度などについてお聞きしました。
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【横芝光町】
「ヨコシバテラス」に20〜30代の子育て世帯が続々と入居。
新築・中古の住宅取得奨励金も
横芝光町は、町外から移住する子育て世帯らを対象にした「ヨコシバテラス」を整備。その理由や反響について、都市建設課の今関 真理子さんにお聞きしました。
はじめに、「ヨコシバテラス」を整備した理由や背景をお聞きします。
構想が浮上したのは、旧横芝中学校の跡地の有効活用を模索していた時期でした。そんな中で町の大きな課題である人口減少対策、地域活性化に資する事業として「ヨコシバテラス」を整備することが決まりました。
移住を検討する方々にとって、住まいは大きな関心事です。ただ、いきなり一戸建てなどを購入するのはハードルが高いはずです。その課題を解消するためにも今回、将来的な定住やご自宅を購入される前に、手頃な価格で気軽にお住まいいただける賃貸住宅をご用意しました。

入居条件や立地、間取り。それぞれ内容や特徴を教えてください。
入居は町外からの転入を条件に、18歳以下のお子さんがいらっしゃるご家族、ひとり親世帯、ともに43歳未満のご夫婦を対象にしました。
住宅は閑静な住宅街に位置し、スーパーや病院などの生活インフラも近くに揃う便利なエリアにあります。
間取りと部屋数は、3LDKの全10戸。ゆったりとしたバスルームやIHヒーターの対面式キッチン、書斎スペースのほか、宅配ボックスや無料Wi-Fi、さらに2台分の駐車場もご利用いただけます。
反響や、入居の申し込み状況はいかがでしたか?
募集を開始してからすぐに何組かお申し込みいただき、今年1月に入居を開始してから6月までに満室になりました。
特に20〜30代が目立ち、半数以上が小さなお子さんのいる世帯です。ご夫婦のみで入居されている方もいらっしゃいます。
大半が隣接する自治体からの転入で、その中には横芝光町で育ったUターン世帯も含まれます。かつて過ごした愛着のある場所で、ご自身のお子さんを育てたかったのかもしれません。ご両親や親戚が近くにいれば、育児を手助けしてもらいやすいはずです。
「ヨコシバテラス」の近くには認定こども園のほかに医院もあり、急に体調を崩したときにも安心です。子育てしやすい環境であることが、みなさんに入居を決断いただいた一因ではないかと思っています。
横芝光町は“子育てにやさしい町”なんですか?
保育園などの給食費助成をはじめ、小中学校の給食費と高校3年生までの医療費の無償化など経済的な援助はもちろん、育児に関わる相談や手続きがスムーズにできる体制を整えています。
例えば、子育て支援の総合窓口である健康づくりセンター「プラム」です。ここでは母子健康手帳の交付から乳幼児健診、保育園や認定こども園の入園手続きなどをワンストップでサポートさせていただいています。
子育て支援センターで行っている子育て教室「さくらんぼクラブ」では、妊娠・子育て中の方々が集まり、育児や生活の不安や悩みを共有する親御さんたちにとって心強い大切な場所になっています。

現状「ヨコシバテラス」は満室ですが、ほかにも賃貸物件は見つけられますか?
民間の不動産サイトや情報誌などをご覧いただくと、物件がずらっと出てくるはずです。市街地にも賃貸マンションやアパートが点在しています。
横芝光町は、県内の自治体の中でも土地の価格が安いという声を耳にします。そのため、新築や中古でご自宅を購入されるケースが多い印象ですね。新たに住宅を取得される方を対象に現在、新築に30万円、中古住宅に10万円を助成する補助金制度があります(諸条件あり)。
生活に便利な市街地を選ぶもよし、海沿いでのんびり過ごすもよし。理想や目的に合わせて暮らし方を選びやすい点も、横芝光町の魅力ではないでしょうか。

成田空港で働いている町民もいるんでしょうか?
もちろん、たくさんいらっしゃいますよ。成田空港までは町の中心部から車で約30分、シャトルバスも運行しています。
通勤のしやすさや、これまでご紹介してきた子育て支援に加え、サーフィンがお好きだという理由で移住してこられた方もいらっしゃいます。仕事とプライベート、そのオン・オフの切り替えがしやすく、住み心地のいい場所といえるかもしれません。
最後に、移住相談先や情報収集の方法についてアドバイスをいただきたいです。
横芝駅前の情報発信拠点「ヨリドコロ」、こちらにある移住定住サポートセンターを活用いただくのがオススメです。移住相談員が常駐しているので、対面や電話、オンラインといずれの手段でも気軽にご相談いただけます。

同じ「ヨリドコロ」という名称の移住定住サイトもありますので、そちらもチェックいただけると町の魅力や移住者への手厚いサポートを実感いただけるはずです。
<参考情報>
■健康づくりセンター「プラム」
■住宅取得奨励金
■移住定住サイト「ヨリドコロ」
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【多古町】
即日満室となった「すくすくテラス たこ」。
最大の決め手は「子育て環境に魅力を感じたから」
多古町が新設した「すくすくテラス たこ」にも申し込みが相次ぎ、わずか1日で満室になったそうです。企画政策課の宮本 晶さんに、入居者の声などをお聞きしました。
「すくすくテラス たこ」について概要を教えてください。
「すくすくテラス たこ」は町役場や病院、スーパーなどが集まる中心エリアにあります。3LDK・6戸の集合住宅を2棟整備しました。
こだわったのは、子育て世帯が暮らしやすい間取りです。水回りや収納スペースのほか、宅配ボックスや無料Wi-Fi、在宅のリモートワークに使えるスペース、さらに敷地内には子どもたちが遊べる共有の広場や庭もあります。
契約期間は4年とし、町外から転入予定で18歳以下のお子さんがいる子育て世帯、40歳未満のご夫婦、一人親世帯などを対象に、2024年2月に入居の募集を開始しました。

反響が大きく、募集開始からわずか1日で満室になったそうですね。
特に多かったのは、30〜40代の子育て世帯です。千葉市や成田市、富里市など千葉県内のほか、遠くは神奈川県にお住まいの方から申し込みをいただきました。入居者の勤め先も県内の企業が多いですね。
「すくすくテラスたこ」の存在を知ったきっかけとして多かったのは、町内に暮らすご両親や親戚、知人からの紹介でした。また、入居の決め手としては「多古町の子育て環境に魅力を感じたから」という理由が最も多かったです。
入居者には、成田空港の関連企業で働いている方もいらっしゃいます。多古町は空港に隣接しているため、直通のバスに乗れば約20分でたどり着けます。空港にお勤めの町民のみなさんの中には、通勤負担が少ない点に魅力を感じている方がたくさんいらっしゃるはずです。

実際に入居した人からは、どんな声が届いていますか?
あるご家族の声をご紹介します。1歳の長男とともに入居された30歳前後のご夫婦です。奥様が多古町のご出身で、実家に近く子育て支援が充実していることを理由に千葉市から移住されたそうです。
「自然が豊かで、交通アクセスもいい」といったご意見に加え、「家が広くなって睡眠環境が整い、朝活でランニングをするようになった」とご満足いただいているようです。「将来は家を建てたい」ともおっしゃっていただいています。
ほかの入居者からも、「穏やかでとてもいい」「必要なものが揃っていて不自由がなく、住みやすさNo.1」といったありがたい感想をお寄せいただいています。

そもそも、多古町は子育て支援が充実しているんですか?
私たちは子育てに重点を置いた施策を広く展開しています。代表的なのが、「子育てにやさしい3つの0(ゼロ)」です。待機児童「0」、こども園と小中学校の給食費「0」、22歳の大学生までの医療費「0」、これら3つの「0」を実現しています。
ほかにも、第1子と第2子のお子さんに10万円、第3子以降には100万円相当の応援・祝い金を支給。基幹病院の国保多古中央病院内には、公立病院では県内初となる病児保育所を設置しています。
移住支援について、最新の動きなどがあれば教えてください。
今年度(2025年度)から新たに、お試し移住事業を実施することに決めました。
町外に在住し移住を希望する方を対象に、2泊3日以上の滞在期間に住まいや仕事探しを行っていただく制度です。その宿泊費について、1人につき上限3,000円を町が助成します(最大6泊まで)。宿泊施設は現状、一棟貸しの古民家と、風情漂う和風旅館が対象です(2025年10月現在)。
移住支援金の交付も今年度から始めました。東京23区にお住まいか、通勤されている方で多古町に移住し、一定の要件を満たした場合に単身世帯に60万円、複数人の世帯に100万円を支給する内容です。
それと、住宅関連でもう1つ紹介させてください。住宅取得奨励金です。町内への定住を目的に新たに土地と住宅(新築・中古)を取得する際に支給します。「すくすくテラス たこ」の入居者が、その後定住していただく際にも有効活用いただけるはずです。
制度の充実ぶりからも、移住者を歓迎する町の思いが伝わってきます。
さらにそれを支える活動の1つに、移住コーディネーターの存在があります。移住希望者と地域の橋渡しを担う相談役のことです。
その数は、地元住民や移住者ら総勢10人以上。住まいや子育て、農業、2拠点生活など、それぞれに個性や得意分野があり、困りごとや悩みごとのニーズに応じて手厚くサポートさせていただいています。
11月15日には、移住コーディネーターのみなさんが主催する移住体験ツアーが開催されます。地元企業の見学やキャンプ場でのBBQ、さらにブランド米の「多古米」に合うレシピを競う「多古米おかず選手権」にもご参加いただける目白押しのツアーです。
多古町には、どなたも温かくお迎えする懐の深さがあります。私自身も浦安市から移住してきたんですが、町民のみなさんが気さくに話かけてくださったりと、温厚な方が多くすぐに溶け込むことができました。
ぜひみなさんも、安心して移住を前向きに検討いただけるとうれしいですね。
<参考情報>
■お試し移住制度
■移住支援金
■移住定住情報発信サイト「RURAL LIFE」
■~働く・暮らす・関わるを考える1日~移住体験ツアー