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満天の星空を眺め、畑で採れた野菜を食べる。茨城県稲敷市でのスローライフ

株式会社JALカーゴサービス森田 博信さん

成田空港の航空貨物に関わる業務を幅広く手がけ、JALグループの重要な一角を担う株式会社JALカーゴサービス。ロジスティック推進部の部長を務める森田 博信さんは、空港から約25km離れた茨城県稲敷市に約30年間暮らしています。千葉県外から通勤する理由や、稲敷での穏やかな暮らしぶりをお聞きしました。

結婚を機に妻の地元・稲敷へ。空港までは車通勤で約50分

そもそも、稲敷市はどんな地域なのか教えてください。

成田空港から西へ約25km離れた、茨城県南部にある街です。人口は約36,000人(2026年3月現在)、広大な湖の霞ヶ浦や利根川に囲まれ、水田地帯が広がる田園都市でもあります。関東有数の米どころで、レンコンやかぼちゃの産地としても知られています。

それに加えて今、成田空港の機能強化をまちづくりに生かし、雇用の創出や観光客の呼び込みに力を入れていこうという機運も高まっているようです。

もう長く暮らしていらっしゃるんですか?

約30年前、稲敷で生まれ育った妻との結婚を機に、それまで住んでいた成田市から移り住みました。妻の実家がある敷地内に家を建て、2人の娘を育てました。

職場の空港までは遠ざかるかたちになりましたが、通勤はまったく苦になりませんでした。車での通勤で、所要時間は一般道で約50分。渋滞することがないので、ストレスを感じることは一切ありません。

ほかの社員は空港に近接するエリアに住むケースが多いですが、私のように稲敷をはじめ茨城県から通勤している人も一定数います。

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田んぼ、森、星空。「となりのトトロ」のような世界へ

稲敷での生活はいかがですか?

快適ですよ。成田市に比べれば田舎ですので、ギャップがまったくなかったわけではありません。ただ、周りは親切な方々ばかりでしたし、すぐに溶け込めました。

自宅の周囲には田んぼが一面に広がり、緑豊かな森もあります。そこかしこに蝶々やカブトムシ、クワガタもいます。また、東京から帰省した次女が「こんなにきれいに見えたっけ」と驚くほど、夜空を見上げれば星がさんさんと光り輝いています。

少し言い過ぎかもしれませんが、あの人気アニメ映画「となりのトトロ」のような世界が広がっているんです。

「となりのトトロ」の世界観ですか。それは胸が躍りますね。

そんな自然あふれる場所で、2人の娘はのびのび育ってくれました。

我が家の敷地は母屋や蔵があるなどとにかく広いので、娘たちは小さい頃、一輪車の練習でよく走り回っていましたね。その姿を縁側に腰掛けて眺めていたのは、懐かしい思い出です。

庭には家庭菜園もあり、義祖母がジャガイモやキュウリ、ナス、玉ネギ、トマト、さらに珍しいものだとゴーヤも育てていましてね。新鮮な野菜が毎晩のように食卓に並ぶんです。

ここには、自然を体いっぱいに浴びながらのどかに過ごす、そんな昔ながらの田舎暮らしがあります。

庭の畑でさまざまな野菜を育てている(写真提供:森田さん)

買い物や医療の環境はどうでしょうか?

車さえあれば、買い物に困ることはありません。

中心部の江戸崎地区にショッピングモールや飲食店が集まっているので、必要なものはそこで一通り揃えられます。ときには車で約30分かけて、学園都市として有名なつくば市まで出かけることもありますね。

医療も市内には複数の病院に加え、地域のクリニックも点在しています。義祖母が通う病院は、自宅まで送り迎えをしてくれるんです。これも都会では考えられないような、小さな街ならではの“おもてなし”ではないでしょうか。

子どもが喜ぶテーマパーク、キャンプができる公園も

休日や週末はどう過ごされていますか?

成田市に住んでいる長女が、孫を連れて毎週のように帰省してくるのが楽しみでしてね。一緒に公園に出かけたりしてリフレッシュしています。

例えば、「こもれび森のイバライド」です。「シルバニアファミリー」のテーマパークのほか、アスレチックや水遊びができる池、ゴーカートに野菜の収穫体験、羊やヤギに触れられる牧場などが揃っていて、大勢の子どもたちが目をキラキラさせながら遊び回っています。

昨年(2025年)リニューアルした「和田公園」もオススメですね。すべり台などの遊具や遊歩道が整備され、デイキャンプもできるようになったんです。そこで毎年4月に開催される「チューリップまつり」も色鮮やかで素敵ですよ。また、目の前には霞ヶ浦が広がり、周囲のサイクリングロードを颯爽と走る人の姿もよく見かけます。

和田公園は遊具が充実(写真提供:稲敷市)

毎春恒例の「チューリップまつり」の様子(写真提供:稲敷市)

霞ヶ浦沿いのサイクリングロード。目の前に絶景が広がる

子どもが喜ぶような施設、楽しめる場所がたくさんあるんですね。

そんな風に休日をのんびり満喫できるのは、当社の福利厚生が手厚いことも大きいと思っています。特に、月に10日の休みがあることです。

社員の多くはシフト制ですので、早番と遅番をうまくやりくりすれば時間を有効活用できます。例えば遅番勤務の日に、朝にサーフィンをしてから出社するような社員もいるんです。有給休暇を組み合わせ、海外旅行に出かける社員も多いですね。

最後に、読者へのメッセージがあればお聞かせください。

スローライフを夢見ている人、ちょっとした不便をむしろ楽しみたい人、自然の中で子どもを育てたい人。ここ稲敷は、特にそんな暮らしに興味のある方々にはピッタリの場所だと思います。

空港近接の成田市などと比べると、土地や家賃の相場も安いはずですしね。特に一戸建てについては購入可能な空き家が近年増えているようですし、子育て世帯などを対象にした新築住宅取得時の助成金などもあるそうです。

みなさんが思い描く理想の暮らしを、どこでなら実現できるか。空港から少し離れたエリアも選択肢に入れてみると、視界が一気にパッと開けるかもしれません。

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<参考情報>

■稲敷市移住定住 公式HP「稲しき家族」
https://www.inafami.jp

■子育て、移住・定住サポート制度一覧
https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page010042.html

株式会社JALカーゴサービス
森田 博信さん
千葉県成田市三里塚生まれ。結婚を機に、妻の出身地である茨城県稲敷市に移住。2人の娘を育て、約30年在住。職場では現在、海外からの輸入航空貨物の保管・仕分け・配送などを行うロジスティック推進部の部長を務めている。
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